2023年4月20日(木)TRUMP series 15th ANNIVERSARY 『LILIUM -リリウム 新約少女純潔歌劇-』の昼に参戦しました。
劇作家・末満健一がライフワークに掲げ、2009年から展開するTRUMPシリーズの15周年アニバーサリーの幕開けを飾る作品。
2014年に初演された『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』を約9年ぶりに「新約」として脚本を改稿し、新たな楽曲を加えて再び上演。
出演者は、シリーズ初となるフルキャストオーディションで2,000通を超える応募の中から選ばれた。
会場に着くと、やたら女性客が多い。
TRUMPフアンの演劇女子!?
後、ゴスロリの服を着た女性も結構居た。
グッズでは、缶バッチとパンフレット以外は、既に売り切れ。
パンフレットは値段が高い。
1冊買えば十分で複数買いは無いだろうし・・・
缶バッチは、女性キャストのフアンは少ないだろうし、誰が出るか分からない。
さらに、元ハロプロの、はまちゃん*1が出るかわからないので、ハロヲタも買わないだろう。
缶バッチは、恐らく男性キャストだったら、女性は買った!?
座席で見たが、8割は女性だった。
さて、俺は、ハロヲタなので、2014年の初演「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」も見ている。
感想は以下。
なので、話も、前回の配役も知っている。
演劇が始まる前は、風の音と、時々なる鐘の音がずっと流れてた。
ステージの上は、やたら凸凹とした段差が一杯。
そして、ところどころの大きな木のような造形。
セットが豪華な感じだが、シンプルだった前回の方が演劇としては分かりやすかったのでは。
ただ、初演は、階段が急だったりしたので、走り回る、この舞台では怪我をしないように考えると、今回が正解だろう。
初演ではセリフで説明だった所が、かなり歌に変わっていて曲数が増えてたり、音響が分厚くなったりコーラスが強化されたり、ミュージカルとしては正当な進化。
ただ、初演を見てる身からするとどうしても、初演と比べてしまい、イマイチ熱中できなかった。
まず、おじさんは、顔の区別が出来ない(笑)
服も、白で、皆んな同じに見える。
前の「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」は、演者が、ハロプロだったので顔の区別が付いたのだが・・・
最初はシルベチカの歌から。
前に演じた「小田さくら」より、こっちの女優の方が、恐らく美人。
キャストパレードの「Eli, Eli, Lema Sabachthani?」も超迫力。
あの人数で、歌って踊る熱量が凄まじい。
ただ、上記のシルベチカ(小田さくら)とマリーゴールド(田村芽実)の戦うような掛け合いは無かった。
シルベチカを中心に、その他主要メンバーとの掛け合いに・・・
まあ、今考えると、この2人(シルベチカ・マリーゴールド)は関係が薄く、キャストパレードで絡むのは意味不明。
劇中の、マリーゴールドの争いなら、相手はスノー(和田彩花)が正解だろう。
劇が始まると、皆んな、当然だがオーディションで選ばれた猛者ぞろいで、歌が上手く熱演。
ストーリーとしては、前回と、ほぼ一緒。
ただ、全体的におふざけが無くなっており、また、シルベチカの飛び降りの場面に、LILIUM感謝祭の「二輪咲き」の要素が組み込まれていた。
気になったのは、マリーゴールドの性格。
前作より、かなり気持ち悪さが増しており、可愛げが無い。
まあ、TRUMP series の性質からすると、こっちの性格が正しいのだと思うが、あそこまで気持ち悪くする必要が有ったのか・・・
後、「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」のマリーゴールド役は、天才 田村芽実だからなあ・・・
マリーゴールドが歌う「もう泣かないと決めた」は、「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」の田村芽実のインパクトは超えられないだろう。
なんたって、あの時は、マジに会場の空気が震えたから。
後は、マーガレット。
今回も熱演だったが、「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」のマーガレットは「佐藤優樹」の当て書きで、佐藤優樹そのものだから。
マーガレットの曲「プリンセス・マーガレット」の編曲は、演者の佐藤優樹が、かなり自由に変えちゃったらしいが、結構、そのまま採用されてた。
その他、工藤遥のファルスは、かなり声がだみ声だったので、男役が合ってたが、今回のファルスは美声。
逆に、皆んな美声すぎて目立たない。
それでも、最後の「少女純潔」は大迫力。
俺は、前回の「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」の感覚から逃れられなかった。
初演を見てる俺は、どうしても初演の記憶とイメージが蘇ってくる。
まあ、それほど初演の衝撃が凄まじかったのだろう。
初演の記憶が出てきてしまい、俺は、最後まで、この舞台に完全に入りこむことはできなかった。
前回の「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」を見た事がない、TRUMP series フアンの感想は別のモノになると思う。
それでも、演劇としての質は高い舞台。
皆んなプロで、初演よりも洗練され、作品の完成度は間違いなく高い。
まあ、それでも、初演の、10代の現役アイドルが歪なパワーを放出しまくっていて、ギリギリのラインを狂気のバランスで演じられていた初演を俺は支持する。
恐らく、全員、女性から、男女混合の舞台になった時に、前作の呪縛から解き放され、この舞台は完成するような気がする。
PS:
TRUMP関係の演劇が話題となると、過去作の「LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-」のDVDが売れるのだが、Amazon 演劇2位。
俺が見た時は、1位だったので、また売れている。